我慢してでも、再エネで充電しますか?

あなたは我慢してまで再エネ由来の電気でEV充電しますか?

電気は一般に貯めることが出来ません。太陽光発電所はお日様が照っている時しか電気を作ることができません。

夜はもちろんのこと、雨が降ったり曇りの日には、十分な量の発電ができなくなります。

こうした自然任せの再エネ発電に対しては、2つの向き合い方があります。これを便宜的にA型とB型と名付けてみましょう。

A型はいつでも欲しいときに欲しいだけ再エネ電気を使いたいと言う考え方です。例えば、蓄電池やグリーン水素を用いたり、夜に発電可能なバイオマスなどの発電を組み合わせて、これを実現します。

イーロンマスク、率いるテスラは基本的にはこの考え方です。米国にあるテスラのショールームに出向いた時のことです。壁にはあるスローガンが大きく掲載されていました。

「シームレスな、EV体験を!Power Wall3があれば、朝起きたら車がフル充電朝起きたら車がフル充電されていて、いつでも走り出すことができます。」

これに対して、B型はいつでも好きなときに使えると言う便利さを諦めて、太陽光で発電されたときに、発電された量だけを使っていこうという自然の制約に従って生活していく考え方です。

もともと、電気などない江戸時代には、明るいうちに、畑を耕し生活をして、夜になったら寝ると言うように、概ね自然に合わせた暮らしをしていたと思います。

同じ事は農産物にもいえます。海外から輸入をして、冷蔵庫に貯蔵して、あるいはビニールハウスで温室栽培をして、いつでも好きなときに、好きな野菜や果物が食べられると言うA型の生活に対して、B型は地産地消・旬産旬消といった、出来たら出来たなりの消費する生活です。

あなたはどちらを選びますか?0か100かで決めることではないでしょうが、明確な根拠はありませんが、日本人は昔テレビ番組「おしん」が大ヒットしたように、自然に身を任せて我慢をすることをいとわない人が多いのではないかと考えます。

これに対して、イーロンマスクは、そのマッチョな物量作戦で、こうした自然の制約を華麗に打ち破っていく方向かと考えていましたが、最近必ずしもそうではないニュースに接して大変驚いています。

それは最近カナダと米国でリリースしたアプリの新機能です。

 

Tesla launches ‘Charge on Solar’ in Canada and US

一言で言えば、「40%まではふつうに充電。そこから90%まではお日さま照ったら、太陽光発電で充電。」というもの。

つまり、プラグを刺したら、まずは快適にしっかりと充電するけど、40%超えたら、あとはお天気次第でチョロチョロと入れて行きます。

というA型とB型のハイブリッドサービスです。イーロンマスクも最終的には「いつでもスピーディに再エネ満タン」を指向しているのでしょうが、まずは過渡的に現実と折り合いを付けていくという姿勢に感銘を受けました。