#22 電気自動車(EV)
燃料電池車(FCV)の購入や利用

16.  ゼロカーボン・ドライブ <地域脱炭素ロードマップ:ゼロカーボンアクション30> 

ZERO DRIVE

ゼロドラ:電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)の購入・利用

2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、私たちは、なるべくCO2を出さないライフスタイルに変えていくことが求められています。

そのためには、まず私たちがどのようにCO2を排出しているのかを知る必要があります。

実は、家計関連の4分の1は自動車の運転によるものです。家庭の自家用車は一台当たり年間約1万1千キロ走行し、日本全体で約5,000億キロにもなります。そのほとんどがガソリン・ディーゼル車で年間約4,000万トンものCO2を排出している計算になります。ですので、自家用車利用によるCO2排出を減らすことが、大変重要です。そのためには、まず、移動の必要性や距離を少なくするのが理想的です。

そうはいっても現実には移動しない訳にはいきませんから、次に、なるべくCO2を出さない手段を考えるべきです。自家用車利用を控えて、自転車や電車・バスなどを利用したり、健康な人はなるべく歩くこと。住まいも職場もコンパクトに暮らすこと「コンパクトシティ・移動しない社会」実現なども議論されています。COVID-19禍に対応して、リモートワークが増えていることは追い風です。

そして3つめに、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)を利用することです。環境省は、再生可能エネルギー電力と、「動く蓄電池」として活用できる電気自動車(EV)、プラグインハイブリット車(PHEV)又は燃料電池自動車(FCV)を活用したドライブを「ゼロカーボン・ドライブ(ゼロドラ)」と名付け、家庭や地域、企業におけるゼロドラの取組を促しています。


電動車は、静音性が向上していて、排気ガスが出ないなどのメリットがあります。また、蓄電池として、キャンプ時や災害時等に活用することも可能です。ガソリン代のコストパフォーマンスの向上も見込めます。

脱炭素ロードマップでも、国民への普及を目指すゼロカーボンアクションの重点項目に、①再エネ電気の購入、➁おうち快適と並べて、③ゼロカーボン・ドライブを挙げていて、最新の知見を基にゼロカーボンアクションとして整理するとしています。

再エネで充電またはグリーン水素価値を充填してゼロカーボンドライブーゼロドラに出かけてみませんか。

一般社団法人ナッジ推進協議会(NPC)では、旅行会社とともにゼロカーボンドライブを旅行商品(ゼロカーボン・ツーリズム(ゼロ旅)として提供しています。行き先は、ゼロカーボン農業に取り組んでいる、ブルーベリー農場や椎茸農園です。

ZERO DRIVE

脱炭素ロードマップの重点項目ともなったゼロカカーボン・ドライブ

重点対策⑤ ゼロカーボン・ドライブ

再エネ電力と EV/PHEV/FCV を活用する「ゼロカーボン・ドライブ」を普及させ、自動車による移動を脱炭素化する。動く蓄電池等として定置用蓄電池を代替して自家発再エネ比率を向上し、災害時には非常用電源として活用し地域のエネルギーレジリエンスを向上させる。

<創意工夫例>

 EV カーシェアリング実施(再エネ電力を供給した EV を災害時等の非常用電源にも活用)
 自動車会社と自治体の間での災害時に EV/PHEV/FCV を搬入し給電を支援する協定
 自律走行機能を搭載した EV バスが町内5km の公道を定時定路運行
 地域特性に応じてタクシーに EV や FCV を導入

<絵姿・目標>

・ 地域内の人・モノの車による移動について、EV/PHEV/FCV が最初の選択肢となることを目指す。
・ 2035 年までに乗用車の新車販売に占める電動車の割合を 100%とすることを目指す。
・ EV/PHEV/FCV を全国どこでも安心して利用できるインフラが整備されている。また、充電インフラの電力及び水素ステーションの水素は概ね再 エネ等由来となっている。
・ 導入された EV/PHEV の持つ蓄電機能は地域の再エネポテンシャルを最大化するための社会インフラとして活用されている(重点対策①及び②と連動)ことを目指す。
・ トラック、バス等の商用車や二輪車等についても EV 化、FCV 化が進む一方で、バッテリー交換式 EV をエネルギーステーションとして活用することで、地域再エネの需給調整機能化やレジリエント向上、地域循環経済に資するビジネスモデルが創出されることを目指す。
・ 大型配送車等の重量車については、内燃機関の効率が向上しているとともに、再エネ由来水素や合成燃料(e-fuel)など燃料のカーボンニュートラル化が進んでいることを目指す。

<主要な政策対応> ※詳細は5(3)(7)等に記載

 政府及び地方自治体における公用車の電動化の率先実行【環境省・関係省庁】
 ゼロカーボン・ドライブキャンペーンやモニター制度等を活用した普及啓発【環境省】
 地域再エネと EV/PHEV/FCV 等の同時導入や充電インフラ導入の推進【環境省・経済産業省】
 多様な関係者の協力による経路充電設備の充実【環境省・経済産業省】
 集合住宅における充電設備設置の推進【環境省・経済産業省】
 公共施設、商業施設等や物流施設等の地域の産業拠点等への充電・充放電設備整備【環境省・経済産業省】
 国立公園等の駐車料金の減免についての検討【環境省・経済産業省】
 トラック、バスの電動化、バッテリー交換式 EV 等の開発・導入の推進【環境省】
 水素燃料電池や水素内燃機関の活用によるトラック、建機、農機等の重量車の脱炭素化の
推進【環境省】

ZERO TOUR

電力シェアリング社プレスリリース:走行中のEV・FCVが排出するCO2を実質ゼロに! 脱炭素時代の新しいツーリズム「ゼロ旅」サービス開始

このたび、株式会社電力シェアリング(以下、電力シェアリング)は、ブロックチェーン技術を活用し、旅行中に利用する電気自動車(以下 EV)/燃料電池自動車(以下 FCV)が排出するCO2を実質ゼロにする「ゼロ旅」サービスを開始したことをお知らせします。これは、遠隔地で太陽光発電から創出される環境価値を、走行するEVとFCVにリアルタイムに割り当てるものです。

■「ゼロ旅」サービスとは

2021年3月には、FCVを活用した神奈川県横浜市~箱根町間往復200kmの走行で14kgのCO2排出削減を確認しました。FCVのリアルタイム走行計測にはZenmov株式会社が提供するSMOC(Smart Mobility Operation Cloud)を活用しています。下記画像は、本実証実験の様子です。また、車両の走行時だけでなく、車両の生産時・解体時も含めたライフサイクルすべてのCO2排出を実質ゼロにする手法も導入しております。

電力シェアリングは、この走行時完全ゼロエミッションの仕組みを活用して、旅行の全てをゼロエミッションにする「ゼロ旅」を推進して参ります。脱炭素時代における新たなツーリズムの普及に向け、今後広く様々なパートナーと様々な商品を企画します。

ゼロカーボン・ドライブという新しい市場の創出

ゼロカーボン・ドライブに関しては、企業などの事業者に求められる取組みとして、温対法に基づく排出削減等指針を改定して盛り込むこととしています。

これはある意味では、ゼロカーボン・ドライブやこれを組み込んだゼロカーボン・ツアーといったゼロカーボン・ツーリズムという新しい市場の創出であり、企業にとっても大きなビジネス機会でもあります。

トレンドになりつつあるワーケーションの移動手段としてのパッケージ化も、期待されます。

脱炭素アンバサダーの率先行動:地域脱炭素ロードマップ(p23)

衣食住・移動・買い物など日常生活における脱炭素行動とメリットを、再エネ電気の購入、おうち快適(住居の断熱性・気密性を向上)、ゼロカーボン・ドライブの3つを中心に、最新の知見を基にゼロカーボンアクションとして整理する(アクションリストは別添4)。事業者に求められる取組は、温対法に基づく排出削減等指針を改定して盛り込む。

脱炭素アンバサダーの率先行動【環境省を中心に、関係省庁が協力連携】
国、地方自治体、民間企業が任命している既存の普及啓発のための人材や、脱炭素行動に熱心な学生や企業の従業員等に、脱炭素アンバサダーとして「ゼロカーボンアクション」を率先行動し、発信していただく。脱炭素アンバサダーの発信力と継続性の向上を図るため、アンバサダー連携推進チーム(仮称)を立ち上げ、最新情報を整理して各アンバサダーに共有するとともに、活動状況を相互に把握して高めあうことができるようにする。